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HDDと温度とか

beko

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前回の日記で最後に少しふれた緑キャビアの連続的な読み取り速度を測定してみ
た。最外周で約 100MB/sec、最内周で 50MB/sec と幅の大きな値となっている。
(その理由は、ディスクの記録方法にある。ディスク上に記録する際に問題とな
る内周円と外周円の線速度差を解決するには 2 通りの手法が用いられている。1
つめは、線速度一定。これは CD で使われており、内周を読み取るときには回転
周期を短く、外周を読み取る際には回転周期を長くすることで、データ速度を一
定として記録密度を最大にしている。2 番目の方法は、角速度一定。HDD はこれ
を用いている。線速度一定では内周と外周を処理する際に回転周期を変化させる
必要があるが、ディスクのイナーシャが大きいため、目的の回転周期に達するま
でに長い時間を必要としてしまう。HDD では、回転周期=角速度を一定とするこ
とでこの問題を解決し、シーク時間を短縮している。データ記録密度は、内周〜
外周で記録速度を変化させ、ディスク全面にわたりほぼ一定の記録密度としてい
る。ここではこのデータレートの高低がグラフに現れた。)スワップ領域はディ
スクの先頭アドレスに近い場所に作れ、というのはこれが理由だ。比較対象とし
て、Maxtor (現Seagate) MaxLine も計測してみた。内周〜外周を区画に分けて
記録速度を変化させているために生じた、読み取りレートの階段現象がはっきり
と見えている。

ところで、この 2 台の温度差を見て頂きたい。MaxLine はさわれば熱いと感じ
る 50度だが、Caviar は人肌の 35 度。実は Caviar Green は、暇なときにディ
スクの回転数を下げている。そのため、待機時の温度を低く保つことができ、こ
のように測定終了時にも低い温度を維持することができている。常にアクセスが
有るサーバ等では無意味だが、オフィス・家庭の PC では威力を発揮する。HDD
の動作温度と故障時間は関係が薄いと Google は確かめたそうだが、少なくとも
「精神衛生」上のパフォーマンスは高いだろう。

担当: 衣川(括弧内がながーい)

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