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At my own risk

tayama

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東山温泉
塔のへつり

1ヶ月ほど前、アルバイトで貯めた貯金を切り崩してついにスクータを購入しました。少し時間の掛かる通学を楽にしたいと思って購入したのですが、いざ乗ってみると、自転車に比べて大きく行動範囲が広がったことに気付きました。保険料などの諸経費がかさんで若干予算をオーバーしてしまったものの、それだけの価値はあったなぁと思いながら、山へ川へ湖へダムへとドライブを満喫しています。

運転に免許が必要な乗り物を購入するのはこれが初めてのことで、購入するにあたっていくつか戸惑うこともありました。ほとんどは親切なバイク屋のおじさんが解決してくれたのですが、ただ一点、どんなヘルメットを選ぶかということについて、私は悩まなければなりませんでした。

調べてみると、どうやらバイク用のヘルメットは「ハーフタイプ」「ジェットタイプ」「フルフェイス」の3種類があるようでした。これらの特徴を簡単に言うと、後者ほど安全性が高く、代わりに通気性が悪く、夏場は蒸れて不快になるとのことでした。さて、どれを選んだものでしょうか。

一般的に、リスクの大きさは (発生時の被害の大きさ) * (発生確率) によって見積もられます。この場合で言えば、交通事故の被害の大きさに遭う確率を掛けたものと、日々の不快感を天秤に掛けることになります。

私はフルフェイスを選択しました。

交通事故など、そう滅多に遭うものではありません。そして、滅多に起きない事が実際にどれぐらい起きないかを正確に想像することは難しいものです。10,000回に1回表が出るコインと100,000回に1回表が出るコインがあったとしても、ほとんどの人は「どちらもまず裏しか出ないコインだ」と思うのではないでしょうか。表が出る確率は10倍も違うと言うのに、です。

そして正確に想像できないときは、人間は大抵自分に有利なように想像してしまうものです。自分が交通事故に遭うはずが無い、というように。あるいは、保険に入ってるのだから、事故に遭っても死にさえしなければ何とでもなるだろう、というように。大怪我をした経験の無い人にとって、何度も通院して治療することがどれだけ大変で面倒くさいかということも、また正確に想像しづらいのです。

より良い行動を取るとすれば、交通事故の発生確率を調べ、事故の被害の大きさを定量化するべきだったでしょう。が、そこまでするのは手間が掛かるのでやめておきました。そして、「どうせ事故なんて遭わないし、ジェットでいいんじゃないの?」という心の声に耳を傾け、自分に有利な想像を打ち払ってフルフェイスを選んだというわけです。

人間は信じたいことを信じてしまう、業の深い生き物です。しかしながら、我々は自らの内なる欲望に打ち勝って生きていかなければならないのです。
それよりもまず大切なのは、安全運転ですが。

担当: 田山 (だんだん成田さんに似てきた気がしないでもない)
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