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混合診療の導入について~日本のTPP参加~

meguro

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最近は日本のTPP(環太平洋戦略経済連携協定)への参加の有無について議論されています。TPPというのは、自由化レベルの高い包括的な協定で、物品の関税が10年以内にほぼ100%撤廃するのが原則となっています。

加盟国はシンガポール・ニュージーランド・チリ・ブルネイの4ヶ国ですが、現在アメリカをはじめ9ヶ国が参加を検討しています。日本も参加検討国として政府が積極的にPRを行っています。

このTPPが医療にどのような影響を及ぼすかと言うと、自由貿易協定ということから関税が撤廃され自由価格での医療市場が成り立ってしまうのではないかと懸念されてます。例を挙げれば、医療機関経営に株式会社が参入してきたり、医療機関が患者を選別したり、患者の自己負担増、地域からの医療機関の撤退といった問題の予測ができます。

また、国民皆保険の崩壊し「混合診療」の解禁につながるという見解もあります。混合診療というのは、健康保険の範囲内は健康保険で賄い、範囲外の分を患者自身が費用を自己負担することで、費用が混合することをいいます。メリットは医療機関が患者から自由に徴収できる費用の拡大をすれば、患者ニーズの多様化に対応できたり、保険外併用療養費制度で先進医療などの一部が保険診療部分は3割負担で済むことです。

デメリットは保険範囲を超え、更に保険外併用療養費制度に適用されなかった場合は全額自己負担となってしまうことや、未認可の治療法や薬剤が使用できるため承認を待っている患者さんには朗報ですが、未認可ということは良いものも悪いものも入ってきてしまい安全確認の低下が考えられます。

混合診療を解禁すべきだという方々は今の保険制度に納得できないため、新しい制度で変えてほしいという希望から賛成していると思われます。逆に混合診療に反対し、国民皆保険がいいという方は今の現状に納得し、自分たちの自己負担を増やしたくないと思っているかもしれません。その人の立場になれば、どれが一番いいとは言えませんが、一ついえば先進医療でしか助からない方が民間の保険に入っていなかった場合の政府の対応策など考慮すべきだと思われます。

担当: 目黒
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