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新年度を前にして

kaneda

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

 Eyes, JAPAN Blogをご覧の皆様、お久しぶりです。今年は異常気象という事で、日本各地で大雪による被害が相次いでいますが、皆様は無事に過ごせているでしょうか?
 2月半ばという事もあり、そろそろ雪の猛威も落ち着いてくるだろうと構えてましたが、ご覧の有様です。しかし、あと1ヶ月もすれば、春の足音が聞こえてきて、また新しい一年を迎える事となります。

 新年度となり、新しい環境、新しい職場、新しい学校とそれぞれあると思いますが、この時期に起きやすい疾患として、鬱病などの精神疾患について、知り合いのYさんの話を中心に、今回は精神疾患について書いてみたいと思います。

 Yさんは、中学2年のちょうど今頃の時期、徐々にある症状に悩まされる様になっていました。その症状というのが、トイレが近くなるという、頻尿という症状です。
 Yさんは始めはトイレが近いなーと軽く考えていましたが、卒業式などの式が多いこのシーズン、頻尿によって式の途中でも居ても立ってもいられなくなり、途中でトイレで式から抜け出す事が多くなってきました。
 そして、Yさんの性格上、目立つ事にすごい嫌がる性格で、式の途中でこっそりトイレに抜け出して周りの注目を浴びる事に敏感になってきました。そして、いつしか式の合間はいつもトイレのことを気にする様になり、次第にトイレの回数が増えていく様になりました。
 そして、年度が明け、Yさんが中学3年生になった時、Yさんに変化が起きました。それは、ご察しの通り、重度の頻尿に悩まされる事になったのです。
 当然、授業中に何度もトイレに行きたくなり、トイレに行った後は、またトイレに行きたくなるんじゃないかと不安で仕方が無く、その不安が的中し何度もトイレに行く事になっていったのです。
 いつからか、授業を抜けて保健室にいるようになり、受験を控えたこの年に、授業どころではないという状況になってしまいました。また、保健室に居るから安心できたかというとそうでもなく、頻繁にトイレに行ってたそうです。
 もちろん、保健室にいて何もしなかったわけではなく、病院にも行きました。頻尿ということで泌尿器科にいって診察してもらい、異常なしということで、膀胱を広げる薬をもらっただけで診察は終わりました。
 そして、医師に言われた通りに1日1回薬を飲み、学校に登校してましたが、もちろん効くわけはありませんでした。
 そんな日が続いたある日、保健室の先生に心療内科を受診したらどうかという相談をYさんは受けました。その頃のYさんは、毎日頻尿に悩まされ、精神的に酷くダメージを受けていて、死んでしまいたいと思う程の鬱病だったそうです。
 Yさんは早速診療内科に行き、診察を受けました。そして、症状を話すといろいろと精神疾患の病名を言われ、様々な種類の薬を渡されたそうです。
 そして、渡された薬を飲み始めて数日、薬の効果と合わせて精神疾患に聞く薬を飲んでいるという安心からか、徐々に症状が治まり、Yさんが求めていた日常が少しずつ戻ってきました。しかし、一度こういう事があったからか、今でもたまにパニック障害などを起こし、日常生活を送っているそうですが、最悪だった時期に比べればなんて事はないそうです。

 この様に、あるときのちょっとしたきっかけによって、精神疾患は起こってしまいます。特に、小さい事を気にしやすい人は、そこから上の様なネガティブスパイラルに陥り、簡単に精神疾患に罹ってしまいがちです。しかし、精神疾患に罹ってしまったからもう駄目だと諦めるのではなく、Yさんの様に専門医の方に見てもらうなど、症状に真正面から向き合う事によって、元の日常生活に限りなく近く戻る事が可能です。
 風邪などの何気ない症状で病院に行き、薬をもらっても治らないという様な事があるとき、不安になって自分の中で抱え込むのではなく、精神科、心療内科などの専門医に見てもらってはどうでしょうか?精神疾患による症状は、実に様々なものがあり、思いもよらない症状が精神疾患によるものである可能性があります。精神科に行く事は、他人の目を考えるととても行きたくないという人が居ると思いますが、最悪な状況まで症状進んでから行ったのでは、治るのも遅くなってしまいます。あれ?っと思ったら、なるべく早く診察してもらいに行く事をお勧めします。

 なお余談ですが、Yさんは中学時代にこの様な事になり、物事を今まで以上に深く考えられる様になったとの事です。精神疾患が与えるものは、何も負の遺産だけではないということですね。

担当: 金田 (写真は昨日のバレンタインデーにもらったチョコです!)
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