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S3D表示形式の話

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この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

昨年から巷を賑わしているS3Dですが、最近は映画やゲーム等のエンターテイメント分野以外にも普及されつつあり、今年もまだまだ新製品、コンテンツが登場していくことと思われます。また、2/26日には、任天堂からS3D携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」が発売され(こちらはすでに予約された方も多いのではないでしょうか?)、既に発売されているS3D対応のスマートフォンやデジカメ、TVとあわせてより身近にS3Dを体験できる機会が増えていくことでしょう。
そこで、今回は数あるS3D製品に使用されているS3Dの方式についておさらいの意味も込めてご紹介していきたいと思います。ただし、3D映画等で使用されている方式も含めるとかなりの数になってしまうので、今回は民生用の機器に使用されている表示方式にしぼって解説していきます。

ではまずは裸眼の方式から。

[視差バリア]

この方式はパララクスバリア方式とも呼ばれ、遮光バリアを使うことでディスプレイ上で右目にしか見えない部分と左目でしか見えない部分を作り出し、S3Dに表示しています。バリアが張られているせいで3Dを表示していないときでもちらつきが発生するデメリットもありましたが、現在では遮光バリアを液晶にする等して2Dと3Dの表示の切り替えを可能にしています。ただし、他の方式と比べて3Dが最適に見える範囲や角度の制限は狭い傾向にあります。
話題の3DSや3Dスマートフォン等ではこの方式のディスプレイが搭載されています。

[レンチキュラー]

こちらの方式ではディスプレイにかまぼこ状のフィルタを張り、画像を偏光させることでS3D表示を行っています。生産コストが安くすむので、数年前からカードやおもちゃにも使用されています (3Dカードとか絵柄がかわるカードとかです)。
視差バリアと同じく距離や角度の制限がありましたが、かまぼこ状ではなくレンズ状のフィルタを使用することで角度の問題は解消しました。ただし、こちらは仕様上3D表示していないときでもちらつきが発生しています。

続いては3D眼鏡を使用するタイプのものを。

[偏光方式]

偏光ディスプレイから表示させた画像を、眼鏡を介して右目と左目に分けることによって3D表示を行っています。
専用の眼鏡を使用しますが、仕組み自体は裸眼のものと似ており、S3D表示には距離と角度の制限があります。
眼鏡が軽く、また、構造も単純なのでPCディスプレイや、ノートPCに搭載されている場合が多いです。

[時差分離式]

ほぼすべての3DTVがこの方式を採用しており、民生用製品に採用されている方式の中では現時点で最も効果的なS3D表示が可能です。この方式では、右目用の画像と左目用の画像を交互に出力し、その映像を眼鏡に搭載されているシャッターで振り分けています。出力とシャッターは、ディスプレイから眼鏡へ赤外線の信号を送信して同期を行っています。
解像度を落とすことなくS3D表示が可能ですが、高速で映像を出力するため液晶ディスプレイでhあちら付きの問題が顕著に発生します。また、シャッター眼鏡は偏光方式のそれと比べ、かなり高額なものとなります。

いかがでしたでしょうか? こうしてみるとかなりの数がありますね。しかもそれぞれの方式で製品ごとに微妙に違いがあったりする場合もあります。加えて、大型のディスプレイや携帯ゲーム機等製品によって最適な表示形式というのはまちまちなので、S3Dはすべてこの方式で、とは決められない現状であったりします。また、それぞれの方式でデメリットはありますが昨年から各メーカーでS3D技術向上に力を入れており、様々な方法でデメリットを減らすように措置がとられています。
コンテンツに関してもいまはまだあまり出そろっていませんが、今年からは今まで以上に多くのメーカー、制作会社がS3D分野に参入し始めることが予想されるので、かなり楽しみです。そして、Eyes, JAPANでのS3Dコンテンツの製作についても昨年以上に力を入れていきますので、皆様どうぞご期待ください。

Ambo (3D映画についてはまた次回)
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