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モーキャプで動く忍者ロボット

sakai

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

今回は、私の普段の仕事にも関連するモーションキャプチャー用いた技術の内容になります。

つい先日、 Google I/O 2012 が開かれまして、Google Glass やGoogle Maps のリニューアルなど、多くのメディアがGoogleの新たな技術について報道しました。私は Google Maps のリニューアルにとても期待しています。

さて、ここから本題になりますが、 Google I/O 2012開催中、Google のカンファレンス以外で私が特に気になったのは、ある日本のロボットベンチャー企業「アールティ」さんが出展していたものです。展示されていたのは「V-Sido x RIC忍者マスター」というもので、これは等身大のロボットに上半身の動きをモーションキャプチャで取り込み、リアルタイムでロボットに反映させ、下半身はジョイパッドで操作して、ロボットを動かしていうというものです。モーションキャプチャに使っているデバイスは、ASUS社製のKinect と同じ技術を用いた「Xtion Pro Live」。

このロボットの面白いと思ったポイントは、

・ロボットが歩きながら上半身をモーションキャプチャーで制御している

・システムの全てを ロボットの頭部に付いているAndroid タブレットで制御している

という2つのポイントです。

最初のポイントで上半身と下半身どちらとも モーションキャプチャーで制御すれば良いのではと思いますが、ロボットの動きの制御は、設計上の問題 (例:筋肉の伸縮の再現、パーツの素材・構造・重さなど)で、動き自体が人間よりもかなり安定しません。ここは私の推測ですが、人間の体と二足歩行ロボットは体型としても若干違いがあり、また人間の体型によって個人の動きも大きく変わります。そのため、モーションキャプチャーで下半身を制御するとなると、どうしてもロボットが倒れてしまいます。この技術は非常に難しい技術であるため、ジョイパッドで操作する理由としましては、これらを踏まえた点だからだと考えられます。

「システムの全てを ロボットの頭部に付いているAndroid タブレットで制御している」という点ですが、これはそのままの通り Android タブレットのソフトウェア上で、モーションキャプチャー、ジョイパッド、ロボットなどのシステム全体を制御しており、それだけでなくロボットの当たり判定やカウントによるゲームとしての機能なども備わっております。またタブレットのディスプレイには可愛らしい顔が表示されており、ロボットがセンサーをキャッチすることで顔の表情が変わります。

V-sido x RIC Ninja Master in Google I/O 2012

RT Corporation Ninja Master Android Powered Robot

ロボット工学の分野においてもモーションキャプチャー使用することが多いですが、安価なKinect の登場によってその幅も大きく広がりつつあります。システムの製作者ではありませんが、こういった場面でもモーションキャプチャーというシステムを使って頂けてとても幸いです。

酒井(モーキャプスタッフ)

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