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ITエンジニアに求められるスキル (続編)

Masato Kaneko

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

今日は、IT エンジニア、もしくは技術者として、最近新たに重要だと実感したスキルに関して少しお話したいと思います。

しばらく前に、『ITエンジニアに求められるスキル』というタイトルの記事を書きました。
以前書いたのは、端的に言うと 技術者の勘 というスキルについてです。
依然として、技術者の勘 が IT エンジニアにとって重要なのは言うまでもありません。
しかしながら、加えて重要だと最近感じるのは、

難しいことを簡単に、かつ分かりやすく説明するスキル

です。

現代の IT 技術は、普段何気なくコンピュータを利用しているだけでは感じにくいものの、裏では非常に多彩な処理や仕組みが複雑に折り重なって、協調し合って一つ一つの機能を実現しています。
例えば、Web ページのリンクをクリックして、別のページにジャンプし、新しいページが画面に描画される、ということに関しても、目に見える部分としては Web ページのリンクをクリックしたら新しいページが表示された、というだけですが、その過程の裏では、DNS の名前解決処理が行われたり、IP の仕組みをもって相手先にデータを届けたり、ブラウザが HTML や CSS をレンダリング (描画) したり、この他にもいくつもの複雑な処理が行われているということです。
技術者でない人は、そのような背景の処理や内部の仕組みを知らなくても PC を扱えますし、知らないのが普通でしょう。
しかし IT エンジニアは、多くは技術者でない人達を対象に、そういった複雑な IT 技術を使って何かを作ったり、サービスなどを展開したりしています。
そんな中で、モノやサービスを利用している人が、少しも内部的な話を知らないで利用しているのは、私は非常にもったいない気がします。
そして、難しい技術の仕組みをなるべく簡単に説明するのは、IT エンジニアにとっては必要不可欠なスキルであると思っています。
もちろん、詳細を知らなくてもとりあえず使えればそれで良いという人もいるかもしれませんが、少なからず自分は、人は誰しも多かれ少なかれ、知的好奇心というものがあると信じています。
自分の経験では今まで、技術者でない人に対して、何となくでも仕組みを分かってもらえるようにと説明してみると、『今までは良く分からなかったけど、何となく分かってきて良かった。』という風に言ってくれる人も少なくありませんでした。
技術者でない人が技術の詳細を知らないのは、出来るなら知りたいながらも、きっかけやチャンスがなかったから、という場合も少なからずあるのではないかと思います。

難しいことを難しく説明するのは簡単 ですが、難しいことを簡単に分かりやすく説明するのは難しい ということです。
技術者同士であれば、難しいことを難しく話しても問題ないかと思いますが、技術者でない人にも少しずつ難しいことを知って幸せになってもらえるように、今後は難しいことを簡単に分かりやすく説明するスキルを徐々に磨いていこうと思います。

Author: Masato Kaneko
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