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工場

gyoda

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

突然ですが「ECRSの法則」をご存知ですか?
工場などの生産現場で使われている言葉ですが、これはデザインやプログラムでも応用ができます。
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【1】Eliminate(排除)
          業務の目的を見直して、不必要を判断する
【2】Combine(結合)
          業務をまとめて一緒にして、時間を短くする
【3】Rearrange(順番の入れ替え)
          仕事の順番を入れ替え、効率的にする
【4】Simplify(単純化)
          もっと単純化し、同じ結果を産み出す
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このE→C→R→Sの順番で自分の業務を見直すと、意外な無駄や、逆に必要なものが解ります。自分のプログラミングや、デザインに置き換えて考えると、とても効果的な考え方だと思います。
私が前居たWeb制作の会社ではこういう言葉がよく使われていました。「ウチは工場みたいなものだからな〜…」と。当時は「クリエイティブじゃないこと」の比喩表現として捉えていましたが、指示を出す立場になった時、そうではないと考えを改めました。
そもそも「工場」であることに何の問題があるのでしょうか?「工場」「クリエイティブ」ではないのでしょうか?
私は「高品質」なものを「同じクオリティ」「大量生産」する「工場」こそがアイデアや、技術が詰まった「クリエイティブ」とも考えています。その中に、いわゆる“ギョーカイ”の「クリエイティブ」を入れるフローにすれば良いのです。
工場は経済の歴史、そのものです。
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「洋服売れてっから、手作りじゃなく、一気に自動で作りたいなー」
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「機械つくったよ」
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「洋服まだ売れてっから、機械も増やしたいなー」
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「鉄いっぱい作って、機械いっぱい作ったよ」
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「作りすぎてエネルギー足んねーなー」
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「石炭掘ったよ」
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「輸送してーなー」
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「電車つくったよ」
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「鉄が足んねーなー」
     ↓
エンドレス、効率化、大量生産の時代へ…
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産業革命から起きたこの流れは、日本でも行われ、今現在日本の工場は圧倒的な生産性を保ち、いわゆる「もの作り大国」となりました。こういう事を言うと昭和だとか、古くさいだの言われますが、急成長したことも事実です。その後日本は1990年代以降の約20年間は、平均名目成長率は年率マイナス0.7%程度、平均実質成長率は年率0.6%程度、平均インフレ率は年率マイナス1.3%程度となりました。この結果は失われた20年とも言われていますが、需要の飽和が原因か、プラザ合意が原因か、バブル崩壊が原因なのか…様々な憶測があります。
現在、日本のIT業界は「失われた20年」の中にどっぷり浸かり、何故か昭和の「もの作り大国」のようには上手く行っていません。Eyes, JAPANも現在設立18年、日本の空洞ど真ん中を突っ走っています。
IT業界はどこかでこの優れた工場の手法を丸輸入してしまい、クリエイティビティが失われたと錯覚してしまったのかもしれません。一方で優れた昭和の手法を全て批判し、まるで逆の事の手法ばかり取り入れ、失敗したのかもしれません。前述した「ECRSの法則」は優れた手法かもしれませんが、「大量生産・大量消費」が現在の日本社会に適合しているかといえば、ノーでしょう。
ただ単にイエス・ノーで判断するだけではダメで、業界の特徴を見極め、「見直すべきところ」「取り入れるべきところ」をしっかりと見極める事が重要なのではないでしょうか。少なくとも「昭和の時代」には見習うべき手法は沢山あります。
行田(雪道の運転に慣れてきた)
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