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セキュリティ技術者の不足

Masato Kaneko

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

最近の日本では、未知のマルウェア、標的型攻撃、近隣諸国からの各種サイバー攻撃など、セキュリティインシデントがマスメディアを通して一般の人にも認知されるようになってきています。
そういった事態を受け、政府によるサイバー空間防衛隊や、警視庁によるサイバー攻撃特別捜査隊の発足など、セキュリティに関する知識を持った技術者を積極的に募集し、採用する動きが出てきています。
このようにセキュリティ技術者が非常に求められているのは、日本にはセキュリティ技術者がまだ少ないからだというのが一般の認識でしょう。
しかしながら、本当にそうなのでしょうか?

日本のプロフェッショナル CTF チームのメンバーの方に先日お話を伺ったところ、世界の強豪 CTF チームと比べると、CTF の世界大会で活躍出来る程の優秀なセキュリティ知識を持った技術者は、残念ながらまだ少ないとのことでした。
世界の強豪 CTF チームの戦績を見てみると、少人数ながら非常に優秀な成績をおさめているところもあることが分かります。
そういったことから、現状では日本は世界各国と比べてセキュリティ人材が不足していることは否めないのも事実です。
たしかに、セキュリティ業界に従事されている方々はまだまだごく少数なのかもしれません。
しかしながら、セキュリティという分野に括らず、その他の分野も含めれば、優秀な技術者の方々自体はそこまで少なくないのではないでしょうか。
これより下は私個人の見解になります。
日本ではセキュリティが専門ではない一般の優秀な技術者という人材は十分ながらも、高いセキュリティ意識を持った技術者がまだ少ないだけという印象を持っています。
なので、セキュリティが専門でない一般の優秀な技術者の方々に、うまくセキュリティ意識を普及させることが出来れば、最終的に優秀なセキュリティ技術者人材の不足を解消出来るのではないかと思いました。

世の中では、若い人たちを育てることによって将来的に優秀な技術者となってもらえるようにする動きが一般的かと思います。
たしかに若い人たちを育てることは非常に重要であり、やらなければならないことではあると思いますが、実際に若い人たちが育つには、それなりの長い時間がかかってしまうことは言うまでもありません。
また、時間をかけて養成したとしても、全員が求めていたような実践的な知識を持った技術者として育ってくれるとは限らないのではないでしょうか。
セキュリティという分野に限って言えば、今すぐにでも優秀な人材が欲しいという現状では、若い人たちを育てる活動を進めながらも、セキュリティが専門でないような一般の優秀な技術者の方々に、積極的にセキュリティ意識の普及を心がけていくことが大事なのだと思っています。

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