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ブラウザ戦国時代のweb制作

yahata

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

Progressive Enhancement(プログレッシブ エンハンスメント)という言葉をご存知ですか?

Progressive Enhancement

twitter.com(左: Firefox, 右: IE8)

Progressive Enhancementとは、「レガシーブラウザを基準に制作し、モダンブラウザにはよりリッチな体験を提供」しようという考え方です。
反対にGraceful Degradation(グレイスフル デグラデーション)という考え方もあり、こちらは「モダンブラウザを基準に制作し、レガシーブラウザには機能を落として対応」するという考え方です。

レガシーとモダン、どちらを基準に制作するかの違いがあります。

さて、この2つに共通するポイントとして、「レガシーかモダンかで提供するものを変える」という考え方があります。

レガシーとモダン

参考: 今さら訊けない、モダンブラウザとレガシーブラウザ

モダンブラウザとレガシーブラウザの区分けは、主にブラウザがHTML5やCSS3といった最新仕様にどれだけ準拠できているかで決まります。
…と、まあこの辺は当たり前すぎるので、端折ります。
モダンとレガシーという、大きく分けて2種類のブラウザがあるということが重要です。

レガシーブラウザの悪いところ

レガシーブラウザの短所としてよく槍玉に挙げられるのが、「角丸」「シャドー」ですので、今回はそこに焦点を当ててみます。

CSS3にはborder-radiusおよびbox-shadowといったプロパティが定義されており、
これを使う事で要素の角を丸くしたり、影を付けたりすることができます。

しかし、CSS3に対応していないレガシーブラウザではどうやって実現したらいいのでしょうか。

border-radius

角丸の実装方法の違い

box-shadow

影の実装方法の違い

モダンブラウザでは、1つのタグにスタイルを当てる事で角丸やシャドーを表現できますが、レガシーブラウザにおいては、角丸やシャドーを画像によって表現します。

例えばレガシーブラウザでシャドーを表現したい場合、
まず影を含んだ要素全体をcontainerタグで囲みます(実際はcontainerタグはありませんが便宜上)。
そして要素の東西南北と四隅にshadowタグを置き、それぞれにシャドーの画像を配置します。
最後にbodyタグにコンテンツを配置します。

一目見て無駄だらけなのが分かりますね。

1. 無駄なタグが多い

各タグに対して個別画像を入れたり、スタイルをあてたりしないといけないため、修正量が増えます。
また、可読性が下がり、マークアップミスが増えます。
さらに、パフォーマンスとはあまり関係ありませんが、セマンティックマークアップを考えると最悪のコードです。

2. 画像が必要になる

画像が必要になるということは、単純に通信量が増えます。
box-shadowならばブラウザが適切にシャドーを付けてくれるので、そもそも通信が発生しません。
CSSスプライトを利用するという手もありますが、CSSスプライトはリピートができないので、シャドーのような可変要素には向きません。

レガシーブラウザとどう付き合うか

ポイントの一つは、冒頭で挙げたProgressive Enhancementです。

見た目を思い通りにするだけなら誰だってできます。問題なのは、見た目以外にも様々な観点があるということ。
通信量・レンダリング速度・セマンティクス・メンテナンス性・互換性などなど、どこに重きを置くかは品目によって違うと思います。

新しく生まれてくるものを頭に入れながら、古いものとどう付き合っていくか、考える必要があるのではないでしょうか。

八幡(ブラウザ自作したい)

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