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マーラー作曲交響曲第2番ハ短調

Yuta Sugii

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IMG_5683先日、東京のオーチャードホールに行ってきました。オーチャードホールといえば、毎年年末に行われるジルベスターコンサートの会場として有名ですね。今回は前席5列分をなくし、張り出し舞台を利用するほど大きなコンサートになっていました。

今回の演目は武満徹作曲の「うた」を何曲かと、マーラーの交響曲第2番でした。どちらもあまり演奏される機会はなかなかない珍しい曲目です。中でもマーラーの交響曲第2番は管弦楽だけではなく、ソプラノとアルトのソリスト歌手、そして混声合唱を含めた大編成になっているため中々聴ける機会はありません。今回はマーラーの交響曲第2番について書いていきます。

500px-Gustav_Mahler_1909そもそもマーラーとはどういった作曲家だったのでしょうか?本名はグスタフ・マーラーで、彼は19世紀から20世紀にかけて活躍したオーストリア帝国出身の作曲家です。幼児期の頃、彼の音楽の才能をいち早く感じ取った彼の父ベルンハルトは自身が経営していた酒造業の跡取りから一転させ、音楽家への道を進むことを薦めます。そしてマーラーが16歳の頃、演奏解釈賞と作曲者賞を受賞、その翌年、17歳の頃に名門ウィーン大学への進学を果たします。そこで作曲家として学問を修めます。当時和声学の教鞭をとったのは、かの有名なアントン・ブルックナーでした。そしてわずか18歳の頃、大学を卒業します。その後指揮者としての活躍を果たしながら作曲家業を営み、彼が34歳の頃に完成させたのがこの交響曲第2番です。

この交響曲第2番はハ長調で書かれた交響曲で、全5楽章の構成となり約90分の超大作です。その大きさは単に演奏時間の長さではなく演奏規模の大きさにも現れています。管弦楽は元々大編成でありましたが、オルガンやバンダ(舞台袖で演奏する別の楽隊)を含み、しかも前述のとおり2人のソリスト歌手に合唱団を含みます。

この交響曲が中々演奏されないのは、単に編成が大きいだけではありません。この交響曲だけではなくマーラー作品全般にいえることですが、非常に難易度が高いということです。今回の演奏会では日本フィルハーモニー交響楽団と山田和樹さん、合唱団は東京混声合唱団と武蔵野合唱団、ソプラノに林正子さん、アルトに清水華澄さんという、今まさに脂が乗っている方たちが勢揃いしていました。その演奏は圧巻されるもので、マーラーの表現の深さに驚くと同時にオーケストラが奏でる幅広いオーケストレーションと豊かな表現力の演奏、スケールの大きさに圧倒されました。厳しすぎるほどの第1楽章ののち、第1楽章と比べて呑気すぎると揶揄されそうな穏やかなメロディーが流れる第2楽章、そして賑わう商店街のような日常の風景から1点の闇が全てを覆う悪魔のような第3楽章、一転して神の世界を覗かせる第4楽章、最後の審判が近づき劇的なクライマックスが繰り広げられる第5楽章。この曲のスケールの大きさ、そして持ち合わせているエネルギーには聴いていて熱くなりました。

マーラーの交響曲第2番はよく「復活」という標題が付けられますが、マーラー自身はその標題をつけたわけではありません。しかし、第5楽章のクライマックスに演奏される彼のつくった歌詞からは神が復活を果たすときのようなエネルギー、パッションを持ちあわせており聴いていて心を揺さぶるような音楽であることは間違いありません。ベートーヴェンの第9もそうですが、第1楽章から真摯に聴いているとより一層、クライマックスの感動はその経過を体験しているだけあって増幅されます。ぜひ、この体験を演奏会でなくてもCDやYoutubeなど多くの演奏の記録がありますので、1度聴いてこういった体験していただきたいです。

 
【参考URL】

山田和樹マーラー・ツィクルス

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