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コンピューターが反省をするとき

Yuki Ito

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

初めまして、アルバイトスタッフの伊藤と申します。

皆さんはパソコンやスマホに怒ったことはありますか?
終わりの見えない虹色が回り続けるマウスカーソルや、ブルースクリーンに踊る不満げな顔文字を見て殴りたくなる衝動に駆られたというような経験は、誰にでもあるのではないかと思います。

そもそも人間というのは常に事情を抱えた生き物です。イライラしているときもあれば、めちゃくちゃに急いでいて3秒も待てない時もある訳です。そんな時に「ようこそ」と表示されたまま1分も2分も待たされた挙句(一体誰に向かって言っているのか)、起動した途端にセキュリティソフトの派手な広告がデスクトップを塞ぐ… なんてことをされたら汚い言葉を叫びたくもなります。

では、このような場面では何が問題なのでしょう。「コンピューターにも事情がある」ということももちろんあります。ですが、ここ数年でPCやスマートフォンの安定性は飛躍的に向上してきていますし、最近は待たされることも少なくなりました。「コンピューターの事情」はほぼ解決しつつあると言ってもいいでしょう。しかし、それでもまだまだ思い通りにいかないことも多いですよね。

そこでこれから問題としてフォーカスされていくのは、安定性よりも「伝わらないこと」であると私は思います。今多くの開発者やデザイナーが、ディスプレイ上のUIでできるかぎり直感的に伝えようと、操作性を良くしようと四苦八苦しています。でも限界が来たようです。今人々は、もっとコンピューターに「わかって」欲しいと思っています。

なぜ今Google Nowなど、人間の行動を学習する形のAIが開発されているのでしょうか。それは端的に言えばその方が楽だったからだと思います。つまり、「俺毎週ジムに行くのが習慣なんだよね」「そうなんだー」という会話を端末がユーザーとするより、「お前ここ3週連続で行ってるよね。もしかして今日も行く?」と一方的にサジェストする方がAIにとってはるかに簡単だったからでしょう。

なぜAIに分かってもらうために、3週間も同じ行動を繰り返すという遠回りなことをしなければならないのか。

物事にはそれぞれ最適な伝え方があります。言葉もそうですが、絵や身振り手振り、表情も選択肢のうちの一つだと思います。

果たして、コンピューターに怒りを伝える最も良い方法はどんな方法でしょうか。コンピューターが怒りまで理解して、反省して別の選択肢を取るという行動ができるようになるまで、あとどのくらいかかるのだろうか、なんてことを最近考えています。

 

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