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折り紙公理の紹介

Shoma Saito

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

折り紙公理とは

折り紙公理というのは、紙を折る時に理論上厳密に可能である基本的な操作を記述しています。具体的には、紙の厚さを無視し、伸縮しないものとして考え、操作は平面で完結し、全ての折り線は直線であると仮定するというようなものです。公理は全部で7つあるのでそれを紹介したいと思います。

7つの折り紙公理

公理1から6は藤田の折り紙公理としてよく知られているそうです。公理7は羽鳥公士郎によって再発見されました。

  1.  2点p1, p2が与えられたとき、2点を通るただ1つの折り方がある。
  2.  2点p1, p2が与えられたとき、p1p2に重ねるただ1つの折り方がある。
  3.  2本の直線l1, l2が与えられたとき、l1l2に重ねるような折り方がある。
  4.  1点p1と1本の直線l1が与えられたとき、l1に垂直でp1を通るただ1つの折り方がある。
  5.  2点p1, p2と1本の直線l1が与えられたとき、p1l1上に重ね、p2を通る折り方がある。
  6.  2点p1, p22本の直線l1, l2が与えられたとき、p1l1上に重ね、かつp2l2上に重ねる折り方がある。
  7.  1点pと2本の直線l1, l2が与えられたとき、pl1に重ね、l2に垂直な折り方がある。

 

何が凄いの?

この7つになりますが、具体的にどう凄いのか想像できませんよね…?

ざっくり説明すると、この公理があることによって、定規とコンパスでは二次方程式しか解くことが出来ないのですが、折り紙の幾何学では三次方程式や角の三等分、立方体倍積などの問題を解くことが出来るのです!公理6が実際には三次方程式を解くことに等しいと見れますね!

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折り紙で折れて、コンパスと定規では折れない図形

具体的には正七角形があげられますね。実際に折ることも出来るのでぜひ皆さんも折り紙で正七角形を折ってみてください(綺麗な形を目指すならばきちんと正方形の折り紙を購入して下さいね!)。折り方は検索すればたくさん出てくると思います!

逆に折り紙でも折れない正n角形はあるのでしょうか?

それは正十一角形と言われてますが、多重折りという操作を許せば、折り紙により作図可能だそうです。*1しかし、代数的な操作である「作図」「折り紙」ではなぜ解けないかというと、正十一角形には五次方程式が出てくるからなんですね。一般の五次方程式は、代数的な解法がないので解決が出来ない、ということです。

ちなみに、正十一角形は硬化にも利用されてるそうですね。https://ja.wikipedia.org/wiki/十一角形

参考文献

自分はよく数学勉強会に参加するので、そこで折り紙公理に出会いました。自分が調べたサイトを載せておきます。ぜひ皆さんももっと数学しましょう!

平成 24 年度 上越教育大学公開講座 折紙の数学
http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa/openh24origami.pdf

 

正七角形の折り方:完成までの14ステップ

http://tsujimotter.hatenablog.com/entry/2014/07/07/234101

折り紙作図を用いた教材研究のために

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1867-06.pdf

 

*1:http://repo.flib.u-fukui.ac.jp/dspace/bitstream/10098/7298/1/AA12509441_3(2012)59-66.pdf

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