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仕事の価値

Masato Kaneko

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

弊社では、社員よりも数多くのアルバイトの学生スタッフが働いていることもあり、様々な興味や技術を持った人がいて、人それぞれ、様々な仕事を担当しています。
とても人が手作業では読み終えることも出来ない程の量の医学論文中の英語の文章を最新技術を使って自動で分析し、そこから得られる情報から病気にかかるリスクを算出するようなプログラムを書いているとんでもない人もいれば、壁に 15 枚のポスターを均等にズレなく並べて貼るという、一見誰にでも出来そうで地味な仕事をやっている人もいます。
仕事の内容で一見すると、すごそうな仕事、そうではない仕事と表面的には見えてしまうかもしれません。
しかし、仕事の価値として考えてみると、果たして本当にそうでしょうか。

以前、オフィスの引越に伴って備品の移動や再配置を行った時がありました。
そして、アルバイトの仕事スペースとして使われている長テーブルを設置した際、テーブルで作業をする人が快適に作業出来るよう、なるべく邪魔にならない場所に分散して OA タップを備え付けるという仕事をある学生スタッフに依頼しました。
この作業は、なるべく邪魔にならないように考えながらケーブルを這わせて固定したり、ケーブルや OA タップ自体があまり目立たないように配置するといった、誰もやりたがらないような地味な作業だったので、依頼された学生スタッフは、つまらない仕事だと思いながら作業したかもしれません。
現在では、全ての作業が完了して実際に運用が始まってから、既に長い年月が経っていますが、その長テーブルを利用してきている多くの人たちは、電源に関しては何の不自由もなく作業をしています。
では、もしあの時、長テーブルに備え付けの電源を整備するという仕事をしていなかったら、今頃どうなっていたでしょうか?
おそらくは、誰かが長テーブルで作業しようとした時、どこからともなく調達してきた OA タップや延長ケーブルなどを自分のためだけにテーブルに勝手に敷設して利用したり、利用した後も後片付けもされず、そのまま放置されて、テーブルの上はいつでもごちゃごちゃと物が放置されているだろう、ということが容易に想像出来ます。
そのことで、多くの人が困り、迷惑を被り、余計な時間を使うようなことになっていたでしょう。

最新技術を駆使して、今まで人が成し得なかったような作業を自動でこなしてしまうような仕事は、人の役に立つ仕事のひとつであることは想像に難くないでしょう。
しかし、そういった高度でハイテクな仕事だけが人の役に立つわけでは決してありません。
一見すると地味でつまらなそうな仕事であっても、その仕事のおかげで誰かが幸せになっていることがあります。
先ほどの例のように、その仕事がたとえ地味でつまらない仕事であったとしても、その仕事をしたことで多くの人が幸せになっている事実があるということです。
言い換えればそれは、誰かの役に立っている仕事だと言えます。
誰かの役に立っている仕事は、十分に価値のある仕事ではないかと私は思っています。
たとえ地味でつまらないと思うような仕事であっても、その価値をきちんと考えることで、有意義にこなしていくことが出来るのではないでしょうか。

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