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はじめてみよう、ウェブアクセシビリティ (基礎知識編)

きたざわ

[写真]パソコンでウェブを閲覧しているイメージ

突然ですが、ウェブアクセシビリティ、意識していますか?
私は最近勉強を始めたところなのですが、ウェブアクセシビリティは敷居の高く専門性が必要な分野なのかな…と漠然と思っていました。
今回はウェブアクセシビリティに関する基礎知識を紹介しますので、少しでも興味を持っていただたら幸いです。

1. ウェブアクセシビリティとは?

ウェブアクセシビリティは、「高齢者や障がい者など、心身の機能に関する制約や利用環境に関係なく、すべての人がウェブで提供される情報を利用できるようにすること」です。
健常者の私たちは普段意識せずにウェブサイトを利用していますが、例えば高齢者の方は小さな文字が読みづらいと感じていたり、障がい者の方は判別がつきにくい色の組み合わせがある・動画の音声が聞こえない・画面の操作はトラックボールで行う…などという状況に置かれているかもしれません。

では、高齢者や障がい者の方は日本国内にどれくらいいるのでしょうか?
[図]高齢者と障がい者の人数
平成28年のデータですが、65歳以上の高齢者の人口は3,461万人と言われており今後さらに増加する見込みです。
また障がい者は視覚障害・聴覚/言語障がい・肢体不自由など様々な種別がありますが、すべて合わせて357.6万人(平成25年)というデータが出ています。
数字を見ると高齢者は全人口の約30%、障がい者は全人口約3%の方が該当することになります。
参考リンク:

これらの数字はウェブサイトを閲覧している割合に当てはまらないとは思いますが、割合や人数としては結構大きいのではないかなと思います。

様々な状況の高齢者や障がい者の方々がウェブサイトにアクセスして、健常者と同じように情報を得ることができるように構築していく必要があり、そのためにウェブアクセシビリティを意識する必要があります。

2. 具体的にどのようなことで困っているのか?

高齢者や障がい者の方はどのようにウェブを利用して、どんなことで困っているのでしょうか?

全盲の方の場合

音声読み上げソフトや点字ディスプレイを使用してウェブを閲覧。
画像にaltが入っていないと画像の内容を知ることができなかったり、ナビゲーションがたくさんあるとなかなか本文までたどり着けなかったりします。
上から順番に読み上げるので、文書構造を間違えると意味が通じなくなったり、分かりづらくなる可能性もあります。

色覚障がいの方の場合

色覚障害は、ある色とある色の組み合わせが判別できない、または判別しにくい障がいで、日本では男性で約5%・女性で約0.2%の割合で存在すると言われています。
色の組み合わせ次第では、文字や図の判別ができなかったり、色を使ったナビゲーションが理解できないという問題が発生します。

聴覚障がいの方の場合

難聴あるいは全く耳が聞こえない方の場合、BGMや効果音が流れていても気がつかない可能性があったり、音声付きの動画では字幕やテキストによる解説がないと内容を十分に把握できません。

肢体不自由の方の場合

障がいの状況によって個人差があります。
例えば細かい手の動きができない場合、トラックボール等を使ってウェブを利用します。この場合、スクロールが必要な縦長のページなどはマウスポインタの大きな移動が負担になります。また、リンク箇所が小さかったり、隣同士のリンクが近づきすぎている場合など、細かな操作も困難です。

高齢者の場合

加齢に伴い視覚や聴覚が変化し、視覚障がい者や聴覚障がい者と似たような問題が発生します。
個人差がありますが、全体的な傾向としてIT関係の専門用語や若者の言葉は苦手な人が多く、複雑な操作の習得も負担となります。

3. ウェブアクセシビリティのガイドライン

ウェブアクセシビリティには国際基準のガイドラインがあります。
国際基準のガイドラインはWeb Content Accessibility Guidelines Working Group という団体により作成されたWeb Content Accessibility Guidelines (WCAG)です。このガイドラインは W3C勧告です。
Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0 日本語版
※W3Cは「World Wide Web Consortium」のことで、ワールドワイドウェブのブラウザやサーバについての技術に関する標準化を推進する団体です。

英語版が正式な文書なので、英語が得意な方は英語版を読んだ方がいいと思います。
Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0

この国際基準をベースに作成された国内向けの規格として「JIS X 8341-3:2016」があります。
2010年に発行された規格を改定して、2016年に発行されたのが「JIS X 8341-3:2016」です。
こちらは有料で文書を購入する必要があります。
日本規格協会 Webdesk
[写真]JIS X 8341-3:2016の冊子

JIS規格のベースはWCAGなので、まずはWCAGを読んでみるということから始めてみても良いと思います。

なお総務省が発行している「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」には、『公的機関の提供するホームページ等についてはJIS X 8341-3:2016の「準拠」及び「一部準拠」に速やかに対応する必要があります』という旨が記載されています。
障害者差別解消法の施行(2016年4月)や障害者基本計画(第3次)等を踏まえて、行政などの公的機関に対して2017年度末までの対応を総務省が求めているという状況です。
民間企業に関する記述はありませんが、意識はしておいた方が良いでしょう。

いかがでしたか?
今回はウェブアクセシビリティに関する基礎知識を紹介しました。
ちょっと堅苦しい用語が多かったかもしれないですが、ぜひWCAGを読むところから初めていただければと思います!
次回は、ウェブアクセシビリティの内容について少し触れてみたいと思います。

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