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エストニアの「e-Residency」を取得してみた(受領編)

藤沼

e residency card
前回の記事でエストニアの電子居住権e-Residencyの申請手続きについてご紹介しましたが、今回は受領手続き及びソフトウェアのインストールについてご紹介します。「申請から受領までの所要期間」も記載しましたので参考にして頂ければ幸いです。
※e-Residencyについてご存じない方は、末尾に関連記事を纏めましたのでご参照ください。

step1: e-Residencyが付与された旨のメールが届く

申請して暫くすると、エストニア警察・国境警備隊から “E-Residency Digi-ID — e-Residency granted” という件名の以下の様なメールが届きます。

e-residency-granted-email

このメールは申請者に対してe-Residencyの権利が正式に認めらた事を伝えるもので、システムから自動送信されているようです。なお、 “You will be notified upon the document’s arrival to the place of issue…” と言う文が示唆しているように、この時点ではまだ受取場所にIDカードは届いていません。心の中でガッツポーズしつつも、何も反応せずにただ待ちましょう。

step2: IDが東京のエストニア大使館に届いた旨のメールが届く

はるばる海(空?)を渡ってきたIDが駐日エストニア共和国大使館に届くと、その旨のメールが送られてきます。(手動で書いているため件名や内容はまちまち。) もうすぐIDが受け取れるワクワク気分を程よく抑えつつ、step3へ。

step3: エストニア大使館にアポ取り

申請者から駐日エストニア共和国大使館に電話をして、「e-ResidencyのIDがエストニア大使館に届いた旨のメールを受け取った。受け取りの為に大使館訪問のアポイントメントを取りたい。」旨を伝えます。日時の調整のほかに、氏名のスペルの確認をされたり、パスポートを持参する様に伝えられたりといったやり取りを英語で行います。

step:4 エストニア大使館に受け取りに行く!

アポ当日、いよいよ大使館にIDを受け取りに行きます。大使館へは東京メトロ銀座線の外苑前駅から行くのが良いと思います。駅から10分ほど歩きますので所要時間に注意。

大使館に到着すると大使がお出迎え。訪問ノートにサインをしてパスポートを渡すと、待ちに待ったIDカードが目の前に置かれます。その後、指紋の登録手続きや注意事項の説明、インタビューを受けます。大使は気さくな方でとても話しやすかったです。

インタビューの時間と内容

インタビューは10分から15分ほどで、「e-Residencyを使ってどんなビジネスをしたいのか?」を聞かれます。私の場合は明確なプランがまだ固まっていないのですが、注目しているAI領域の話をしました。よっぽど変なことを言わなければ何の問題もなくインタビューを終えることが出来ると思います。

気になる箱の中身

所定の手続きを終えるとIDカードが入った細長の箱が手渡されます。箱の中にはIDカード、カードをPCと接続する為のアダプタ、コード類(PIN1/PIN2/PUK)が書かれた紙が入っています。PIN1は認証、PIN2は電子署名の際に用います。PUKは万が一ロックを掛けてしまった際に、ロックを解除する為に必要です。この考え方は携帯電話のSIMカードとよく似ていますね。

会津大学の話題も・・・!

会話の中で「会津」の名を出すとタリン工科大学と会津大学の一般協定の事を話してくださったりと、丁寧に色々と話してくださいました。協定で具体的にどの様な取り組みが進んでいるのか、中身を勉強したいところです。

step5: アクティベーション確認とソフトウェアインストール

受け取っただけではまだカードは使えません。忘れないうちに以下の作業をしましょう。

証明書のアクティベーション通知

カードを受け取った日の翌朝に “E-Residency Digi-ID — certificates activated” というメールがシステムから自動送信されます。これは証明書がアクティベートされた事を示しており、晴れてIDカードが使える状態になります。Welcome to e-Estonia!

e residency activated

ソフトウェアのインストール

メールを受け取ったらe-Residentのコチラのサイトにアクセスしましょう。

start e resident

“Install digital ID card software” をクリックすると、以下の様なサイトに遷移します。

e residency software

インストラクションに従って、各種ソフトウェアをダウンロード/インストールします。Mac環境の場合は、App StoreからダウンロードするソフトもありますのでApple IDが必要です。

私はとりあえず「ID-card utility」「TeRa」「DigiDoc3 Client」「EstEIDTokenApp」をインストールしました。実際に使ってみない事には正直わからないこともありますが、それぞれの用途は以下の様だと捉えています。お詳しい方、教えて頂ければ幸いです。

  • ID-card utility: IDカードの管理、PINコード変更に用いる。
  • DigiDoc3 Client: ドキュメントを電子署名する際に用いる。
  • TeRa: 電子署名がされているドキュメントにタイムスタンプを付与する。(参考
  • EstEIDTokenApp: ブラウザで電子署名を行う際に用いる。(Chrome拡張と共にインストール。)
  • ※WindowsとMacで多少差があるかもしれません。

    IDカードの認識確認/PINコード変更

    カードをアダプタに挿した状態でID-card utilityを起動すると、以下の様な画面になります。
    estonia ID card utility
    カードが読み込まれ、正しい情報が表示されていることを確認します。また、Authentication certificate, Signature certificateのそれぞれのメニューから、PINコードの変更や証明書の確認が行なえます。前述の通り、PINコードは予め設定されたものが紙に記載されていますが、セキュリティ観点でご自身で再設定しておいた方がベターです。

    一連の動作が正常に行えれば、問題なく使える状態にあると捉えて良いでしょう。

    申請から取得まで要した期間は?

    e-Residencyが世界的に注目されているからなのか、結構な時間を要しました。

    1月1日:ウェブで申請手続きをする。(元日から何やってるんでしょうね、私)
    1月20日:「申請受け取ったよ!審査中だよ!」という自動送信メールが届く。その後、何度かに渡り確認事項のやり取りをする。
    3月23日:step1のメールが届く。
    4月28日:一向に連絡がないので大使館にメールを出すものの、GWのためか返信来ず。
    5月10日:step2のメールが届く。
    5月17日:step3実施。
    6月8日:step4実施。ID受領完了。
    6月9日:step5実施。利用準備完了。

    step3以降は完全に私のスケジュール起因なのですが、申請を行ってから日本に届くまでに約4か月要しています。他にも似たような状況の方がいらっしゃると耳にしましたので、e-Residency取得を考えていらっしゃる方は余裕を持って早めに申請を行うことを心がけたほうが良いと思います。

    今後もエストニア関連の記事を書く予定でおりますので、弊社ブログをチェック頂ければ幸いです。

    e-Estonia関連の過去記事はコチラ

    e-Estonia:「国」の概念を覆すエストニアの壮大な電子国家戦略

    エストニアの電子居住権「e-Residency」とは?

    エストニアの「e-Residency」を取得してみた(申請編)

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