Eyes, JAPAN Blog > 『Google Analytics』から考える ターゲットユーザーへのアプローチ

『Google Analytics』から考える ターゲットユーザーへのアプローチ

ishii

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

Google Analytics(以下Analytics)は、Googleから提供されているWebサイト解析ツールです。
データを取得したいサイトのヘッダーにタグを挿入することで、アクセス数をグラフとして見ることができるため昨今では導入しているサイトも多いのではないのでしょうか。

しかし導入したはいいものの、特有の専門用語や多くのデータ項目があるため、うまく活用しきれていないというWeb担当者も多いのではないかと思います。
何より当記事の筆者も、初めは取得したデータをどのように活用すればいいのかと試行錯誤していました。
今ではホテル、飲食業、観光業など幅広い分野のAnalyticsデータを見た経験から重点な項目などが分かってきました。

そこで今回は、Analyticsを導入したが活用しきれていないWeb担当者向けに「アクセスユーザー像を把握し、ターゲットへのアプローチ案を見つける」方法についてご紹介します。


主な流れとしては、以下の3つのステップでユーザー像を割り出していきます。

1.サイトの訪問ユーザー像の仮説を立てる
2.実際のAnalyticsデータと1.の仮説を検証する
3.ターゲットユーザーに対するアプローチ方法の検討

※この記事はあくまでもいくつかのデータを見て想定されるユーザーの傾向です。
ユーザーを断言するものでは無く、一つの仮説として活用していただければと思います。
※アナリティクスの導入手順については、他のサイトで多く紹介されているため今回は省略させて頂きます。

1.サイトの訪問ユーザー像の仮説を立てる

初めに、サイトの訪問ユーザー像の仮説を立てることで、多くのデータ項目から中心として見るものを明確にしていきます。
まずは「目標とするターゲットユーザー」と、「そのユーザーがどのようにして当サイトに訪問したか」を仮説として書き出しましょう。
今回は「東北地方にあるホテルの施設紹介サイト」を例にしました。

<訪問ユーザー像の仮説>
・例)目標とするターゲットユーザー→そのユーザーのどのようにして当サイトに訪問したか

・A)国内、他県からの宿泊者向け
→隣接県・都心からのアクセスが多い?
・B)料金は他社と比較して高め
→中〜高齢者に見られている?
・C)特別な日に1〜2泊するイメージ
→検索ワード「ホテル」+「地域名」+「人気」などで調べている?

2.実際のAnalyticsデータと仮説を検証する

次に先程書き出した1.A)B)C)の仮説と実際のAnalyticsのデータを照らし合わせていきます。
こうすることでよりサイトの訪問ユーザー像を正解に近づけます。

A)隣接県からのアクセスが多い?

A)を検証するには、Analyticsの「地域ごとの観覧ユーザー数」を見る必要があります。
以下の手順で該当データを表示させます。
※計測期間は偏りが出にくい3ヶ月以上が望ましいです。

ここで表示されたデータから、以下のようなことが新しく想定されます。
□(想定)隣接県・都心からのアクセスが多い?
 ↓
□(実際のデータ)国内の都心を中心に海外、特に韓国からアクセスされていた。

B)中〜高齢者に見られている?

B)を検証するには、Analyticsの「ユーザーの年齢」を見ていきます。

□(想定)中〜高齢者に見られている?
 ↓
□(実際のデータ)35-44歳、次点で25-34歳の若〜中年層に見られていた。

C)検索ワード「ホテル」+「地域名」+「人気」などで調べている?

C)を検証するには、Analyticsの「検索キーワード(Organic Search)」を見ます。
なお、Analyticsから検索キーワードは
集客>すべてのトラフィック>チャネル>Organic Search
から表示することができますが、多くのデータが(not provided)となり確認することができません。
これは検索エンジンの「SSL通信」によってキーワードが暗号化されているためです。

確認するためには、同じくGoogleから提供されているSearch Consoleを導入しましょう。
Search ConsoleがおすすめなのはサイトURLを登録するとAnalytics上に新しい項目として 集客>Search Console が追加され、データ管理がしやすくなる利点があるからです。
また、さらにその中の「検索クエリ」の項目を選択することで(not provided)と表示されていたデータの中身がある程度見ることができます。

□(想定)検索ワード「ホテル」+「地域名」+「人気」などで調べている?
 ↓
□(実際のデータ)「地域名」+「施設名」が多い。
実際に「人気」で検索すると、旅行まとめサイトが出てくる。

3.ターゲットユーザーに対するアプローチ方法の検討

2.から以下の2つの視点でアプローチ方法を検討します。

■ 1.で書き出したターゲットユーザーにアプローチする方法
■ A)B)C)の仮説を検証することで分かった「潜在的な見込みユーザー」に対するアプローチ

※下記は一例です。
<アクセスユーザーを増やすために考えられるアプローチ方法>
A)国内の都心を中心に海外、特に韓国からのアクセスが多かった
□ 目標ターゲットである隣接県からのアクセスユーザーを増やすため、地域の情報誌に広告を出す。
□ まずはSNSなどで韓国人向けのの投稿をしてみる。反応が多い場合インバウンド向けのサイト制作を視野に入れる。

B)25-44歳の若〜中年層のアクセスが多かった
□ 若〜中年層が利用するSNSを活用し、宿泊プランをアピールする。

C)「地域名」+「施設名」での検索にヒットしている
□ キーワード検索「人気」の上位に表示されることは長い期間でみた目標とする。
まずは「特別な日に1〜2泊してもらう」ユーザーを増やす事を目標に「季節のイベントに合わせた宿泊プラン」をサイトに載せてアピールする。

最後に

Analyticsを解析して気づいたのは、ユーザー像を絞るためにはいくつかの仮説を立て、地道に他のデータと組み合わせて検証することが必要ということです。
また、今回紹介したものは一例でしかなく、業種やサイトの規模によって目標とするデータ数値も変わってきます。

初めは難しいかもしれませんが、お客様へ提案をする際にAnalyticsの具体的な数値を提示できることで説得力が高まるため、Web担当者には是非とも分析することを身に付けていただきたいです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Comments are closed.