Eyes, JAPAN Blog > Eyes, JAPANのDiversity & Inclusionを考える

Eyes, JAPANのDiversity & Inclusionを考える

yamadera

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

Eyes, JAPANの”Diversity & Inclusion”への取り組み

自分自身は、自ら選んだ訳でもないのですが創業してからの25年間を振り返ってみると地方、IT、昭和という結果的に男性中心社会にいることが多かったのですが、ここ最近女性の起業家の方と話す機会もあり、昨年女性が多いウェルネスコミュニティに参加させて頂く機会もありふだん思いもつかない気づきを頂いたり、また昨年読んだ一冊の本でいわゆる「有害な男らしさ」について考えることが多くなりました。

これからの男の子たちへ :「男らしさ」から自由になるためのレッスンhttps://www.amazon.co.jp/dp/4272350471/

ふだん自分が男性中心社会にいてどれだけ甘やかされて有利な立場にいたか、今まで全く認識できていなかったのですが、アメリカのBLMに代表されるように自分がマイノリティになってはじめて分かることが多く、まるで世界を反対側から見る事ができた様な気持ちになりました。自分にとっては、外国人や学生、またフルタイムだけではなくアルバイトなど多種多様なスタッフが数多く在籍するEyes, JAPANの”Diversity & Inclusion” を考える上でもとても大きなパラダイムシフトでした。

それらをきっかけにあらためて、Eyes, JAPAN最大の価値であるエンジニア達の心理的安全を確保できるような”Diversity & Inclusion”を再定義したいなと考え、社内のDiversity & Inclusionを考えるメンバーを募り、毎月社内の課題をみんなで話し合って少しづつ解決していこうという活動につながりました。自分自身は会社を25年やっていても一度も現状に満足したことはないので、スタッフとみんなでよりいい環境が作れる事にすごくワクワクしています。

Eyes, JAPAN “Diversity & Inclusion” Discussion  Vol. 1 (English/Audio Only)
https://soundcloud.com/jun-yamadera/diversity-inclusion-talk-by-eyes-japan

テック偏重のスマートシティの終焉

また自分の住んでいる会津若松市を始め、最近日本の各地で声高に叫ばれているスマートシティ/スーパーシティに関しても、GAFAの様な強力なプラットフォーマーが不在の日本ではなかなか実現は難しいと感じる事があります。もちろん中国の様に強権的に信用スコアに基づいた圧倒的な社会的インセンティブが設計できる訳でもないですし、グーグルの親会社であるアルファベット傘下のSidewalk Labsが、カナダのトロントで進めてきた「未来都市」のプロジェクトから撤退する事に象徴されるように、どこか男性中心のテック偏重のスマートシティにはずっと違和感を感じていました。

グーグルがトロントで夢見た「未来都市」の挫折が意味すること
https://wired.jp/2020/05/09/alphabets-sidewalk-labs-scraps-ambitious-toronto-project/

*注:例外としてもちろん行政が入らないで民間企業だけで高速にPDCAを回してアジャイルにプロトタイプできるトヨタのWoven Cityなどは成功の確率は高いと思います。
TOYOTA Woven City

https://www.youtube.com/watch?v=jh7FHx8M3G0

フェミニスト・シティとは何か?

そんな中、昨年読んだ記事の一つでフェミニストシティという概念を知り、自分なりにいろいろ調べたところこれはこれからのまちづくりを考える上で、今までの男性中心の社会を再生産するようなテック偏重のスマートシティよりかなり有用な視点ではないかという結論を感じました。

都市を「女性視点」で捉え直す:フェミニスト・シティとは何か? https://note.com/blkswn_tokyo/n/n88ddd3bc072c

特にテックの世界では近年、一見中立と思いがちなAIのアルゴリズムのバイアスが大きな問題になっています。人間の性質上、社会から完全にバイアスを取り除くのはとても困難ですが、差別や偏見、そして社会的における優位性を安易に再生産する仕組みは倫理的にもやはり問題が大きいしできる限り是正されるべきでしょう。

AIが浮き彫りにしたジェンダーバイアス:米下院議員の画像にタグ付けさせる実験から見えてきたこと
https://wired.jp/2020/12/03/ai-sees-man-thinks-official-woman-smile/

仕事の自動化の波は男女に等しく影響するのか。AIがジェンダーバイアスを助長する可能性
https://www.dhbr.net/articles/-/6367

実際、フェミニスト・シティの元になったレスリー・カーン「Feminist City(フェミニスト・シティ): Claiming Space in a Man-made World」も買って読んでみたのですが、現在の都市設計は移動(モビリティ)、公共スペースのデザイン、制度設計一つ取ってみても世の中の人口の約半分を占める女性に対してとても不利益にできていないでしょうか?それらの不平等を是正するのに都市設計からという視点は目から鱗でした。

Feminist City: Claiming Space in a Man-Made World
https://www.amazon.co.jp/dp/1788739817/

今後世界でも例を見ない急速な少子高齢化が進む日本では、奇しくも東京以外の日本の地方都市はどこも若者の流出が大きな課題です。特に若い女性にとって魅力のある多様性の設計はとても重要ではないでしょうか?こう書くと「女性がもっと頑張ってください!」と思われるのですが個人的には世の女性は総じてすでに頑張っているので、女性より今の社会システムのマジョリティである「男性」が主体的にもっともっと変わる必要があると強く思います。このブログを書いたのもその啓蒙も兼ねています。

キャリア女性にとって魅力ある雇用を用意することが最大の地方活性化施策

https://note.com/ymurai_koji/n/ncaccde809549

Eyes, JAPANでもキャリアを持った女性が、首都圏にわざわざ行かなくても自分のキャリアを最大限に活かし、活躍できる場所を提供したいなと思っています。特にCOVID-19のおかげで、密な大都市にいなくても、疎な地方で最先端のIT技術を使い全く同じ、あるいは逆に東京をスキップして世界に直接アクセスできる時代になったと思います。Eyes, JAPANのURLは、敢えてeyes, japanではなく nowhere.co.jpです。これは悲観的な人が見れば no*whereでどこにもないですが、now*hereと読み解けば今自分がいる場所こそが世界の中心です。現在一緒に世界を変えるようなアイデアで大きな社会課題に取り組んでくれる仲間を募集しています。我こそはという方はぜひこちらをご覧ください!

株式会社Eyes, JAPAN 採用情報
http://www.nowhere.co.jp/recruit/

p.s. また個人的にフェミニストシティを考えるワーキンググループを外部の識者と運営しています。最終的にサービスデザインのワークショップや政策提言もしていきたいと思っていますので興味がある方は株式会社Eyes, JAPANの山寺までご連絡ください!

株式会社Eyes, JAPAN
代表取締役/Chief Chaos Officer 山寺 純

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Comments are closed.