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「Inside / Outside IT」イベントレポート

Taeko

12月5日(土)に「Inside / Outside IT」というイベントを開催いたしました。
今回は計算の概念などを幅広く考え見つめ直し、そこから『ITのInside』つまり実際のコンピュータや通信、ブラウザの仕組みを学んだり、『ITのOutside』つまり今最先端の技術やその応用、またそれを使って起業して社会にどう役立てるかということを学ぶことのできるイベントです。
当日の配信はEyes, JAPANから行いました。
当日の詳しいスケジュールなどイベント概要は以下のリンクからご覧ください。
今回のイベントは「Inside IT」というグループとの合同開催を行いました。
Inside ITではITの基礎技術を初心者が学べるようなワークショップを開催しています。今回だけでなく今までにも様々なイベントを開催しています。以下にリンクを掲載しておりますので、是非ご覧ください。
それぞれ登壇された方のお話を少しずつご紹介します。

Inside / Outside合同セクション

Preferred Networks, Inc. PFN Fellow 丸山宏先生
「Software 2.0と計算の未来」

テスラのAndrej Karpathy氏が語ったSoftware 2.0。深層学習はソフトウェア開発を根本から変え、今までの「作るプログラミング」ではなく、「探すプログラミング」となっていく。今もプログラミングをする時に全てを作っているわけではなく、ライブラリなどを探しているが、これがさらに広がっていき、Software1.0だけでもSoftware2.0だけでもなく、両方を使う時代となるだろう。

そして計算とは何か。計算とは0と1だけではなく、アナログ計算だってたくさんある。久地円筒分水や、計算尺や、微分解析機も視野に入れれば、計算をもっと広い範囲で見ることができる。

CNET Japan ブログ「計算の未来と社会」

神戸大学名誉教授 シンギュラリティサロン主催 松田卓也先生
「超知能の作り方と超人類への道」

超知能とは人間の知能と同様である必要はなく、再現する必要もなく利用することができればよい。そしてそれには人間の思考の解析が必要である。空を飛びたい人間が作ったものは鳥ではなく、子育てをすることのない全く違う仕組みによって飛行する物体、飛行機である。人間を目指して作られた超知能であっても人間同様のものを作る必要はないのである。1000万年近くこの世界を天国の未来を考えることができれば良いのではないだろうか。そのような世界を作ることができるもの、それが超知能であり、AI、人工知能である。

松田先生からは講演内容をいただきましたので掲載いたします。

講演「超知能の作り方と超人類への道」
人類の知的能力をはるかに凌駕する人工知能である超知能をつくりたい。そのために人間の知能を研究し、大脳新皮質で働くアルゴリズムを解明したい。そのようなアルゴリズムをマスターアルゴリズムと呼ぶが、その有力な候補としてベイズ脳理論がある。それによれば脳は生まれてからの経験により、脳内に世界モデルとも呼ばれる生成モデルを構築している。生成モデルは外部世界における原因と結果の対応関係を示す巨大なテーブルである。人(動物)は、感覚器官で外界を探索し、世界モデルを用いて外界の状態を推定する。そして生存のために最適な行動を選択する。機械である人工知能に感覚器官をつなぎ、外界またはシミュレートされた世界を経験させて育て上げて、機械内に生成モデルをつくる。機械には原理的にその大きさに限界はないので、人工知能の考えの深さに限界はない。また動作速度は圧倒的に速い。つまり人間を圧倒する超知能を作ることは原理的に可能である。しかし機械の生成モデルは、動物としての人間の生成モデルとは大きく異なるので、互いの共感は難しい。そこで人間の脳と人工知能を直接に結合して、人間の知能を強化したサイボーグを作るのが無難である。サイボーグとしての超人類への道について論じる。

シンギュラリティサロンHP

Inside IT Section

コンピュータの仕組み (x86, バイナリ等) / みむら (mimura1133)

通信の仕組み (TCP/IP, Ethernet等) / Hori

ブラウザの仕組み (HTML, DOM等) / Hazy

Outside IT Section:

Victor Khaustov
“Artificial Intelligence meets the game of soccer”

会津大学博士課程に所属してAIについて学びつつ、Eyes, JAPANのスタッフの一人でもあるVictorの英語での講演。チェスや囲碁、そして将棋などコンピュータが人間にゲームで勝つ種目が多くなってきた。今まではコードを書いてさらに強いプログラムを作る、という方法をとっていたが、Alpha GO zeroはお互いに戦わせるプログラムを書いただけで、コンピュータ同士で戦うものである。その方法で今までのAlpha goよりも強いコンピュータを作った。これは碁ではなくサッカーでも同じようなことが行われてきていて、ロボットにサッカーをさせることで、しっかり戦うことはできていないが、そこから学ぶのである。また人間の本当のサッカーの試合を学習させることによってさらに強いコンピュータを作ることも行われている。

 アイフォレンセ日本データ復旧研究所株式会社 代表取締役 下垣内太様
「データが消え残るしくみと復元調査(RAID,HDD,SSD)」

1年前の神奈川県で起きたデータ流出について考察。「データが残ってそうだから復元してみたら大事そうなデータが沢山あった」という話から実際にどうしてデータがあったのか、そしてそれはどのようなデータだったのか。そのようなことをHDDの仕組みを知った上で解き明かしていく。情報の知識がある人でもHDDのことについて実は詳しくなくて、間違った知識を思い込んでいることがある。HDDへの情報の保存のされ方、またその参照の仕方、そして消去のされ方について。またHDDだけでなく全ての情報を消去することができると言われているSSDに関しても保存方法から消去方法まで詳しく解説。情報を扱う人間として、知らないといけない重要な知識であるが実は知られていない部分であるとも言える。

CODE BLUEのご講演のYouTubeリンク

株式会社Eyes, JAPAN 代表取締役 山寺純
「ITスタートアップ/エンジニア文化の育て方」

弊社Eyes, JAPAN 山寺からのIT、テクノロジーを社会実装していくための方法など、純粋なテクノロジーではない部分についての講演。「スタートアップの社長というのは全て珍獣である」と、自分のように会社を始めるのは絶滅危惧種だという。またそこからEyes, JAPANが今までにどのようなプロダクトを作ってきたのか、そして今までやってきたことの影響の大きさや、最先端技術とはいえ早すぎて社会が受け入れてくれないという現実。「みんなWHY?と聞くと思いますが、WHY NOT?なんでだめなの?何か迷惑かけました?」そのようなスタンスで新しいことをやってきたという力強いメッセージ。

Oligami Ltd. CEO 篠原龍太郎様
「15歳で起業した18歳の僕が今、伝えたいこと。」

“A startup without advanced technology”. Inside / Outside ITで半日かけてITについての話をした最後に、”WITHOUT advanced technology” というタイトルを最初に掲げた。秋田県が様々な分野で日本の中でワースト1位をとっているという現実のなか、地元秋田県湯沢市で育ち地方の課題を身近に感じ、何かをしたい、ということで高校入学直前に起業。前例がないということで学校の先生としばらく争ったというエピソードもある。SNSが普及したことによってSNSで広告が出しやすくなった一方、本格的な広告制作の難易度は高く、自らの広告をもっとリーチさせるのが難しくなっている。「自分のアイディアを妄信し、カタチにする努力」が大切、と前例がないと言われつつも自分を信じて進むという勇気をもらえる講演であった。

Oligami Ltd. HPリンク

合同セクション

クロージング

Eyes, JAPANに集まって開催運営した数名、またオンライン上の参加者の方々を含めて今回のイベントの中で一番興味を持ったことなどについて議論しました。どの講演にも新たな発見があり、とても自分の知見を広める良いきっかけになったと思います。
今回実際に会場に行く予定であったものの急遽行けなくなった登壇者がいたものの、オンライン開催だったので自宅から参加することができました。このように融通がきくことは、オンラインのメリットと言えると思います。

ただ全員が口を揃えて言っていたのは、ハンズオンなど特にオンラインでは難しい部分があるということです。これからもっと試行錯誤をした上で、より良いものを作り上げていきたいと思いました。

今回のイベントは「Inside IT」と「エキゾチックな計算と未来の暗号」の2つの勉強会グループが一緒に行いました。勉強会で新しいことを知るという良い空間を求め、みんな知識を深めたり技術を磨くことができるような環境を作っていき、またそれに参加していきたいと感じました。

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