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定着する文化、しない文化

yahata

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

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組織の中で,何かの取り組みとか,制度とか,文化が定着するときしないときの違いってなんでしょうか。

組織の中で過ごしていると,誰もが必要としているのに定着しない文化というものがあります。それは一度芽吹いたけれども,維持コストが高すぎるとか,結果がうまく出なかったとか,率いていた人がいなくなるとか,理由は色々あると思います。

ひとつ確実に言えるのは,

「必要とされていない文化は定着しない」

ということです。例えばそれがマイナスの文化だとしても,惰性がそれを必要としているから定着するわけです。でも,その逆は必ずしも成り立たちません。

「文化が定着しないからといって必要とされていないわけではない」

ということです。文化が定着するかどうかは,単にコストの問題なのだと思います。例えば,弊社で定着した文化の例をひとつ挙げてみます。

数年前にランチのお弁当基金が発足しました(記事冒頭の画像はお弁当基金の缶。ブルーボトルコーヒーの缶をリメイクした)。朝礼のあと誰かがお弁当のオーダーをまとめて,宅配を注文します。代金は各自缶に入れておいて,宅配の方が来たら誰かが缶からまとめて出す,という仕組みです。お弁当基金のおかげで,みんながそれぞれランチを買いに行く手間も省けるし,コミュニケーションの時間も明らかに増えたように思います。

この文化は,社内Slackに #obento チャンネルができるほど定着しました。

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↑ ある日の #obento チャンネルの様子

ただこのお弁当基金システムも,最初から全く形が変わっていないわけではないのです。

最初は,みんなが代金を缶に入れたかどうかのチェックリストを毎日作っていました。払った人はチェックをして,払い忘れても気づくようにします。払っていない人はいつまでも突っつかれます。

でも,今はチェックリストは無くなりました。みんな忘れずにお弁当代を入れるという信頼基盤があるから,チェックリストを作らなくてもお金が足りなくなることがないのです。むしろ毎回毎回チェックリストを作るコストが相対的に高くなってしまったわけです(スバラシイ)。

結果として,お弁当基金は定着しましたが,チェックリストは定着しませんでした。

何かの取り組みとか,制度とか,文化と呼ばれるようなものがなかなか定着しないことはあります。しかも,誰もがその文化に必要性を感じているのにも関わらず,です。
そんなときは,必ず何らかの物理的・精神的コストがそこにあるはず。あるいは,一見うまくいっているようで実は誰かがコストを背負っているだけかもしれません。

文化がなかなか定着しなくてやきもきするときは,まずは注意深くコストの所在を探してみると良いかもしれません。

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