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at your own risk

beko

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

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それにしてもいい時代になったものです。ニュース・天気予報・ゲーム・チャット・メール・文書作成・その他ありとあらゆるサービスが、Web上で無料で提供されているのですから。趣味に使うにしても仕事に使うにしても、もはや大部分の作業はこれらのサービスで事足りてしまいます。

しかし、どうやら世の中には、これらのサービスを適切とは言えない方法で利用している例が少なからずあるようです。それらは決して悪意を持って不正な目的にサービスを利用しているのではなく、使っているサービスに対する不理解から来るものです。

テレビのCMや電車の中吊り広告などで、「○○○で検索してください」という文言を見掛けたことはないでしょうか。
これは確かに、広告を見た人を自社のWebサイトに誘導するための、URLそのものを提示するよりも簡単でわかりやすい方法です。
しかし、この方法はフィッシング詐欺に弱いという欠点を持っています。
つまり

  1. とある会社の広告担当 Alice が「○○○で検索してください」という内容の広告を打つ。
  2. 広告を見た攻撃者 Eve が、Alice の会社の偽サイトを作り、「○○○」という検索ワードで上位に表示されるように検索エンジン最適化 (SEO) を施す。
  3. 広告を見た一般人 Bob が「○○○」という検索ワードで検索し、Eve の作った偽サイトに誘導される。
  4. 偽サイトに誘導された Bob は、例えばそのサイトが通販サイトであれば、Bob はクレジットカード番号などを入力してしまい、金銭的な被害を受ける可能性が生じる。

ということです。
広報に検索エンジンを利用するのであれば、検索エンジンにまつわるこういった問題を十分理解しておく必要があるでしょう。

他の例を挙げるなら、以前 Twitter で「ハッシュタグが被る」という問題がありました。
Twitter では同じトピックに対する発言を検索しやすいように、ユーザは自分の発言にタグをつけることができます。
しかしある時、広報に Twitter を利用している2つの会社が偶然にも、「我々のイベントに関する投稿にこのタグを付けてください」と同じタグを提示してしまったことで、混乱が生じたのです。
ハッシュタグは誰にでも使える物ですので、あらかじめ既に使用されていないか調査する、他のユーザと被りにくいような文字列をタグにする、もしくはそもそもそんな不確実性のあるサービスは利用しない、などの対処をする必要があったということでしょう。

自分自身のために作られたサービスでもない限り、そのサービスが完全に自分の思った通りに動くなどということはありえません。*1
提供されるサービスを正しく理解し、最大の効果を上げられるような使い方をすることは、ユーザの義務であり責任であると言えるでしょう。

*1: 実際には、たとえ自分のために作られたサービスであっても、自分の思った通りに動かないことは珍しくありませんが。

田山

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