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ブレストで発散したアイデアのまとめ方-KJ法-

Misato Usui

この記事は1年以上前に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

ブレスト(ブレイン・ストーミング)は、アイデアを発散させるときに良く使われる手法です。やり方としては、実際にやったことがある方もあるかと思いますが、よくある75mm四方のポストイット(付箋)を用意して、発散するテーマに対して思いついたアイデアを書ける限り書出していきます。ブレストは一人で行っても良いですが、複数人のチームで取り組むと発散されるアイデアが掛け算で増えていきますのでより効果的です。

さて、ブレストを行った後に出る大量の付箋ですが、これをどうまとめていったらいいのでしょうか。大量の付箋を眺めながら話し合いを進めて行ってもいいですが、あまり効率的ではありません。せっかく発散させたアイデアですが、このままでは燃えるゴミとしてただ捨てられてしまうだけになってしまうかもしれません。

そこで、ぜひ取り入れたい手法に「KJ法」というものがあります。今日は簡単にKJ法のやり方をご紹介したいと思います。

KJ法とは

KJ法とは発案者である文化人類学者の川喜田二郎氏(Kawakita-Jiro)のアルファベット頭文字からとられています。もともとは文化人類学の研究において、インタビューなどを行った後に集まった膨大な情報をいかにまとめるか試行錯誤した末に開発された手法でしたが、徐々にビジネスの分野でも応用されるようになりました。

付箋をグループ化して主題を導く

KJ法の基本的はやり方は、アイデアを発散した付箋をカルタのように並べ、全体を眺めて「似ているもの」「近しいと思われるもの」を集めてグループを作っていきます。
小さなグループができたら、そのグループ内の付箋を要約する表札をグループごとに作成します。そしてさらに作成された表札を眺めて、「似ているもの」「近しいと思われるもの」を集めて小さなグループから少しずつ大きなグループを編成していきます。

ここで大切なことは、グループを編成する際に「付箋を分類する項目をはじめから決めてしまわないこと」です。KJ法の醍醐味は付箋同士を少しずつまとまりにしていくことで、思いもよらなかった繋がりを発見することにあります。もしそこで、これらの付箋はきっと「AとBとCに分類されるはず」とはじめに分類する項目を決めてしまうと、新たな発見のチャンスを逃してしまうことになりかねません。

そしてまた、KJ法の目的は発散したアイデアを徐々にまとめて行き、最終的には大量のアイデアをもとに何かしら役に立つ主題を導き出すことでした。付箋のグループ化を始める際に付箋を分ける項目を決めてしまうと、分類された付箋からは一向に有効な繋がりを導き出すことができず、ただただまとまりのない付箋のグループができあがってしまうだけになってしまうかもしれません。

以下の図の左側のように、付箋をグループ化していくときは小さなグループから徐々に大きなグループにまとめていくことが大切です。

さいごに

今回は簡単にKJ法のやり方についてご紹介しました。KJ法はとても地道な方法で時間も掛かりますが、大量に発散させた脈絡のない情報の中から不要なものを削ぎ落とし、着実に何かしら意味のある繋がりを発見できる手法なのではないかと思っています。
何よりチームでKJ法に取り組むと、コミュニケーションツールとしての役割も果たしてゲーム感覚で話し合いを楽しく進めることができます。

また、ブレストやKJ法を行うと大量の付箋を消費することになってあまりエコではないという指摘がありますが、Realtime Boardを利用すればペーパーレスでブレストやKJ法に取り組むことができます。無料ですのでぜひ使ってみてください。

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